GVBインプレッサとKZ1000とCBRと。

インプレッサGVBとCBR250RRとKZ1000の整備記録と備忘録ですが良くも悪くも誰かの参考にでもなれば幸いです。※Amazonのアソシエイトとして、当メディアは適格販売により収入を得ています。

スズキのバンバン200の修理をした話【エンジンがかからない!】

知人に頼まれてバイクの修理をいたしまして。

実をいうとこのバイクの修理を依頼されたのは去年の事で、頼まれた直後にいろいろと故障原因を探っていたのですが、原因を見つけられず途中で嫌になって放置してありました。持ち主も滅多にバイクに乗らない方で、バイクが無くても生活になんら影響がないと言うことで、修理の催促を受けることもなかったのでなかなか私も意識が向かず、ウチのガレージに置きっぱなしになっていました。

 

それがこの度、新型コロナウイルスの影響により、本職の仕事が長期にわたってお休みとなり、時間ができたので修理を再開→無事修理完了となりましたので状況を報告したいと思います。

 

車両はスズキのバンバン200です。

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個人的にはあまり好きなバイクではありません。

見た目も好みではないですし、単発エンジンも好みではありません。

でも修理してほしいと言われただけで私の好みはどうでもいいのです。

 

そもそもの発端は、このバイクのオーナー曰く、走行中にアクセルを大きく開け、回転を上げ加速しようとしたところ、吹け上がらずにエンジンが停止してしまった。とのこと。

 

私が見に行くとエンジンはかかるけど、走り出すとすぐに止まってしまい、その後しばらくエンジンがかからない。時間がたつとかかったりするときもある。セルはちゃんと回る。そんな状況でした。

 

この時点ではさっぱり原因がわかりませんので自分で一つずつチェックすることにします。

 

①燃料切れ? → 入ってます。ちょくちょく乗っていたとのことで古くもなさそう。

②バッテリー? → セルは回るので正常だと思われます。

③プラグ? → 外して確認すると火花が飛んでいません

 

そこで日を改めてプラグを新調し交換しましたが、火花は飛びません。

お手軽にプラグ交換で直ってくれれば嬉しいな、と思っていたのですが、簡単にはいきませんでした。

 

同じくお手軽にヒューズを確認すると、この車両はメインヒューズが1個あるだけのようでした。セルは回るしライトも付くのでヒューズでもなさそう。

しかもエンジンがかかったり、かからなかったりする!つまりかかる事はかかるので、どこかが完全に断線しているということでもなさそう。

 

となると、経験上・・・イグニッションコイルが怪しい!(素人考え)

↓バンバン200のイグニッションコイル

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車両前方のタンクの下にあります。

ということで新品部品を取り寄せ、イグニッションコイルとプラグコードを新品交換します。

結果、症状変わらず。

 

イグニッションコイルではないのなら、イグナイターが怪しい!

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こちらは新品が高すぎた(2万円以上した!)ので、某オークションで『実動車より取り外しました。』を信じて中古部品を購入。

※故障の検証に中古部品を使用すると、購入した部品も壊れている可能性があるので、結局故障箇所の絞り込みができないのであまりおススメしません。が、今回は人のバイクの修理で、そもそもプロに頼むほど予算をかけたくない!ということで私のところに来ましたので、一か八かで中古を買いました。

 

で購入したイグナイターを交換してみると・・・

症状変わらず。

 

この時点でかなり嫌になってきています。

 

次に疑ったのはポイントです。

点火タイミングの部分がうまく作動していないのかな。と。

よくわからないままエンジンオイルを抜き、チェーンを外し、スプロケを外し、エンジンのカバーを開け、コイルを見てみると、

・・・パッと見は正常。

リアランスなどを調整するような構造でもなさそう。

 

この辺でもうギブアップ。

整備書も配線図も、ついでに経験もない私にはもう打つ手がありません。

しかもこの時にはもうエンジンはたまにもかからなくなっていました。

セルは回るけど、回るだけ。

初爆もせず、かかる気配もありません。

 

どうすることもできず、途方に暮れて無意味と分かっていながら改めてイグナイターを入れ換えたり、イグニッションコイルを脱着したりして、かからないだろうと思いながらセルを回すと、エンジンがかかるではありませんか!

しかしまたすぐに切れてしまいます。

 

エンジンがかからない状態から、特に何もしていないのに復調したりする。

したことといえば配線を差し替えたりしただけ。

この辺でなんとなく想像がつき、メインハーネスをほぐしていきます。

 

結果をいうと、イグナイターからイグニッションコイルへの配線の断線でした。

断線というか、途中のコネクタが外れていました。

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画像を見ていただければわかるのですが、このコネクタ・・・必要性がわかりません。

イグナイターから来た配線がコネクタを介してUターンしてきて、またコネクタを介してイグニッションコイルへ繋がっています。(オレンジ色の配線)

直接1本でつなげれば良いじゃないかと思うのですが、ほかの車種とハーネスを共用していて、そのほかの車種ではここに何かがつながるとか、そんなようなことだと思いますし、そもそも人のバイクなので、この状況が純正とも限りませんので細かいことは考えないようにします。

余計な事は置いておいて、とにかく原因がわかりました。

ビニールテープで巻いてあったので完全に外れていたわけではなく、抜けかかっているような状態でした。

これが配線を触ったときに接触して通電したり、振動で離れたりしていたのだろうと思います。

 

完全に切れていれば、エンジンが全くかからないわけですので断線を疑うことも出来たかもしれませんが、中途半端にかかったりかからなかったりするので余計に惑わされました。

そもそもオーナーの話では『アクセルを開けると・・・』という話でしたが、結果論ですがアクセル操作は今回の不具合には直接は関係のない事だったということです。

おそらくアクセルを開けて、回転が上がることに伴って大きくなる振動でコネクタの接点が離れてエンジンが切れるということだったのだろうと思いますので、出力や回転数に影響をうける不具合(電圧とか熱とか)だろうと思っていた時点で的外れでした。

 

コネクタをカチッとしっかりはめなおして今後はもう抜けないように、苦労した恨みも込めてビニールテープでグルグルに巻いて修理完了です。

 

ここまでの文章がメチャクチャで、今回は特に読みにくかったと思いますが、要するにいろんな部品変えて長い期間すごく悩んだけど、結局コネクタが抜けてただけだった!というお話でした。

 

始めから原因が分かっていれば15分で終わる作業だったのに、無駄なお金も時間もかかってしまいましたが、悩んだ分エンジンがかかったときは思わずガッツポーズするほど嬉しかったです。

最終的に自走で知人宅まで行き、納車完了。

喜んでくれました。

 

こういうことがあると、プロのバイク屋さんて本当に尊敬します。

様々な車種が様々な症状で持ち込まれて、しかもそれを早く直さなくてはいけないのですから、本当に知識や経験がものをいう大変な職業ですね。

今回の私の故障診断も、プロであればもっと早く原因にたどり着けるポイントや診断方法があったりするのでしょうか?

私もコツコツ日々勉強したいと思います。

 

ちなみに後日、バイクを直したお礼として3食で5,000円という高級なレトルトカレーを貰いました!絶対自分では買わないでしょうから貴重な体験となりました!

味は普通でした。