GVBインプレッサとKZ1000とCBRと。

インプレッサGVBとCBR250RRとKZ1000の整備記録と備忘録ですが良くも悪くも誰かの参考にでもなれば幸いです。※Amazonのアソシエイトとして、当メディアは適格販売により収入を得ています。

マキタのジグソー 故障したジャンク品を分解修理

今回もヤフオクで購入したジャンク品で遊びます。

 

入手したのはマキタのジグソーです。

製品のデザイン的にかなり年代物だと思われます。

かろうじて付いているラベルのモデル名の欄には4300SBと表記があります。

ジャンク品として販売されていたもので、出品者の方いわく

「動作確認しましたが動きません」とのこと。

壊れた古い製品の良い所は価格が安い事。

なんとお値段300円

(送料の方が高いパターン)

到着した製品をコンセントにつないで作動を確認してみましたが、表記の通りウンともスンともいわず、全く動きません

ジグソーの分解は初めてですが、何が壊れているのか確認すべく、さっそく分解していきます。

まずはベースという名前らしい底部の黒い板を取り外し。

六角一本で外せます。

側面にみえるプラスネジも全て外すとパカッと開けることができました。

古い製品なので構造が比較的単純で、爪や隠しボルトなども無く簡単に開けることができます。

内部は想像していたよりキレイで、ホコリや木くずが大量に詰まっているかと思っていたのですがそんなことは無かったです。

ぱっと見で明らかに断線しているような箇所も無く正常な様子です。

カーボンブラシが摩耗していて通電していないのではないかと予想していたのですが、充分な残量があり犯人はブラシではないようです。

眺めていても原因は特定できなさそうなので、さらに分解していきます。

配線やモーターはケースに収めてあるだけでネジなどで固定されているわけではないので持ち上げるだけで外せます。

電源コードの根元部分と、モーターからシャフトに動力を伝えるギヤの部分だけネジで固定されているのでドライバーを使って外します。

取り外したモーターをチェックして見ますがこちらも正常な様子。

ブラシの当たり面もピカピカではないですが通電しなくなるほど汚れているわけでもないようですし、軸も曲がったりはしていません。

故障症状が【全く動かない】というもので、異音がするとか力が弱いとかじゃないので原因は配線関係にあるだろうと考えて、各所の通電を確認していると怪しい所を発見しました。

捜査線上に浮上した容疑者はトリガースイッチです。

オンとオフだけのシンプルなスイッチなのですが、テスターを繋いでトリガーを握っても通電していません

内部で接触不良のようなのでスイッチを分解します。

ネジなどは無くプラスチックの筐体がツメで嵌め合わされているだけのようなので、ヘラを使って分解します。

内部には小さなスプリングや金属製のプレートがあって、落としてタンスの下にでも転がって行ってしまうと捜索に苦労しそうなので、なくさないように慎重に分解します。

スイッチ内部の構造を図示するとこんな感じ。

シーソーみたいになっていて、トリガーを握るとスプリングによって押し出された画像の赤い部分が金属製のプレートを押し下げて接触することで通電する仕組みのようです。

その接触する部分が黒ずんでいて、堆積した汚れにより絶縁状態のようです。

エタノールで拭いてみたりしてもキレイにならなかったのでヤスリを使って地金が見えるまで削ってみます。

削りすぎると届かなくなりそうなので、表面の黒くなっている部分だけをソッと削ります。

プレートが金属の輝きを取り戻したらスイッチを組み立てて、通電するか確認してみます。

シーン...

通電しませんでした。

恐らく懸念していた通り、削ったことで金属同士が届かなくなっているようです。

というかそもそも摩耗していて届かなくなっていたのかもしれません。

オンとオフだけのシンプルスイッチなので、汎用品もあるし、スイッチ自体を購入して交換することも考えたのですが、気分的に300円で買ったジグソーに過剰な投資をしたくありません。

故障箇所がスイッチだけとは限らず、部品を購入したのに最終的に使い物にならなかったら悲しいです。

要は接触して通電すれば良いのです。

そこで、はんだを盛ってカサ増しする事にしました。

一方の接触する部分に少しだけはんだを乗せて高くなるようにします。

(洗濯ばさみで部品をつまんで作業しやすくしています。)

キレイな半球状にはんだを盛ることができました。

正直言って、はんだが強固に付いているとは思えませんので耐久性には不安が残りますが、テスターの先っぽで突いても取れないぐらいには付いているようなので、とりあえずこれで作動するか確認してみます。

古い製品ですので、プラスチックの強度や柔軟性も不安です。

何回も分解したり組み立てたりしているうちに爪を折ってしまわないか不安でしたが、無事に組み立て出来ました。

 

スイッチにテスターを当ててトリガーを握ってみると

ピーーー

(通電した時の音)

スイッチの修理ができました。

さっそく組み立てて作動するか確認してみます。

動くかどうかの確認ができれば良いので、先っぽのシャフトは無しでモーターまでを組み立ててみます。

 

コンセントを繋いでスイッチを握ると

ギュイーーーン

(モーターが回る音)

元気よく回転してくれました。

動かない原因はスイッチの接触不良だったようです。

修理が完了しましたので、ついでにオーバーホールという事で再分解して洗浄&グリスアップもします。

長期間熟成されたグリスを取り除きます。

空間を埋めるようにギッチリ詰められています。

コーヒーを混ぜる木製の使い捨てマドラーで掻き出して除去します。

駆動部分の細かい部品たちも一旦分解します。

単純な構造ではありますが、分解して並べてみると結構な部品点数です。

特にワッシャーの位置や順番が分からなくなりそうなので、よく確認しながら分解しませう。

 

モーターや配線類は無水エタノールで拭きふき。

ケースやギヤなどの水にぬれても問題なさそうな部品たちは、洗剤とブラシで水洗いしました。

内部でどういう動きをしているのかをじっくり観察。

モーターの回転運動がシャフトの往復運動に変換される機構を、

なるほどこうなっているのかと知見を得たような気分になって堪能します。

世界の秘密を知ったような気持ちになって十分に楽しんだら新しいグリスをこれでもかと詰めます。

グリスの適量ってホントによく分かりません。

そもそもグリスの種類もいっぱいあってどんな部分にどんなグリスが適しているのか、勉強しないといけないなと思いながらいつも適当。

部品同士が接触する部分に漏れなくグリスを塗り込んで、元の状態に組み戻したら作業は完了。

 

せっかくジグソーを入手したので、何か切断してみたい!

という事でブレードを購入しました。

ビッグマンというメーカーの各社のジグソーに使える木工用ブレードセット。

900円ぐらい。ジグソー本体の3倍やんけ!

六角を使って本体に取り付け。

汎用品という事できちんと取付できるかちょっと不安でしたが問題なく取付できました。

その辺に落ちてた木片を切断してみます。

切断できました。楽しい!

修理作業中に製品のラベルが剥がれてしまったので貼り直しておきます。

接着剤を塗ってマスキングテープで押さえ。

乾いたらテープを剥がします。

このラベルの古臭いデザインが一周回って逆にオシャレに感じます。

型番の表記もありますし、貴重な情報源ですので剥がれないようにしっかり接着しておきました。

 

というわけで、マキタのジグソーの修理完了しました。

壊れた機械とばっかり遊んでいて、日頃あまり木工をする機会は無いのですが、この調子で木工に使えるジャンク品を集めて、ジャンク修理品だけで作る木工製品にも挑戦してみたいです。

 

修理の様子を動画にもしてみましたので、お暇な方はぜひ観てやってくださいませ。


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バイク用バッテリー充電器 お安い商品を購入して実際にCBR250RRの充電に使用してみた話 SUPERNATTO 星乃充電器

バイク用のバッテリー充電器を購入しました。

と言ってもバイクの充電器自体は以前から持っていまして、今も活躍してくれているのですが、バイクが2台ありますので充電器も2台あった方が便利だなと思い買い足しました。

 

ただ2台目という事で、どうしても必要というわけではない(1台ずつ充電すれば良いっちゃ良い)ので予算的になるべく安いものを探していました。

 

そんな中見つけたのが今回の商品で、楽天市場3,980円(送料税込)とかなり安いです。

星乃充電器

 

サルフェーション除去機能とか、過充電防止で長期間付けっぱなしでもOKとか色々書いてありますし、レビューの件数も多く評価も概ね良好と大丈夫そうな印象でしたので深く考えずに購入しました。

 

さっそく開封してみると、箱の中には充電器本体の他にバッテリーと接続するための接続用のコードが3種類入っていました。

それとちゃんと日本語で書かれた取扱説明書と保証書も入っていました。

保証書には保証期間は24か月と書かれています。3,980円のお値打ちな商品なのに2年間も保証してもらえるなんてお得な感じがします。

よっぽど壊れることのないものなのでしょうか。

取扱説明書には本体のLED点灯パターンの意味が書かれています。これを無くすとのちのち意味が分からなくなって困ることになりますので大切に保管しておきたいと思います。

同梱されていた3種類のケーブルのうち、1つ目は大きめの一般的なクリップ形状の物です。それぞれ色分けされて+と-の表記がありバッテリーのそれぞれの端子に挟んで接続して使用します。車などの充電器ではおなじみの形状です。

2つ目は小さめのワニ口形状です。バイクによってはバッテリー周りに十分なスペースが無く、大きなクリップだと入らないことも多いと思いますので、そういった狭いスペースでバッテリーを車載したまま充電する時に一番使いそうです。

3つ目はバッテリーにボルトで接続するタイプで、一度取り付けたら車載したままにしておける便利アイテムです。バッテリーはシートの下などにあることが多いですが、車種によってはバッテリーにアクセスするために工具を使ってボルトを外したりする必要があり、充電のたびに作業しないといけないので意外にめんどくさいです。

そこでこのケーブルを接続して充電器と接続するカプラー側をバイクの取り出しやす場所に仕込んでおけば、2回目からはいちいちバッテリーに触らなくても手軽に充電器と接続できるという寸法です。

明日ツーリングに行くから前日の夜に充電しておこう!という時にも暗い中シートやサイドカバーを取り外したりしなくてもカチッとはめるだけで簡単に充電できるので便利です。

ちなみにこのケーブルだけ、車載したまま走行することになるので万が一雨などがかかってもショートしないようにカプラーにキャップが付いていて親切設計でした。

それとこれも万が一を考えての事だと思いますが、ヒューズこのケーブルにだけついています。

安価な商品ですがきちんと考えられていて、好感が持てます。

それぞれのケーブルの反対側の充電器と接続するためのカプラーは、プラスマイナスが反対に接続できないような形状になっていて、うっかり間違えることが無いようになっていますので安心です。

今回は3つめの車載ケーブルを使って実際に充電できるのか試してみます。

充電するのは画像奥に写っているHONDAのCBR25ORRです。

1990年式でMC22という型です。

最近生活環境が大きく変わる出来事があって、めっきりバイクに乗っていませんでした。

しばらくほかっておいたらバッテリーが弱ってしまってエンジンがかからなくなってしまいました。

キーを捻ってスタートスイッチを押しても、キュキュキュと弱弱しくセルが回る音がするだけで、エンジンはかかりません。

 

まずは接続用コードをバッテリーに取り付けるべくシートを外します。

MC22のシートはネジ2本で留まっていますので、シートをめくってドライバーで緩めて外します。

シートを外すとすぐ真下にバッテリーが見えます。

MC22はかなり作業しやすい位置にバッテリーがある部類です。

これぐらいなら別に充電のたびにシートを外してもいいかな。

せっかくの機会なのでちゃんと充電されたのか数字で分かるように、現時点の電圧を測定してみました。

11.5Vです。

12Vのバッテリーと聞くと、11.5Vならそんなに電圧が低くないような印象を受けますが、実際にエンジンがかからなかったわけですので低いのでしょう。

充電した結果この電圧がどのように変化するのか見てみたいと思います。

バッテリーのプラスとマイナスに接続用ケーブルをそれぞれ共締めし、反対側の充電器に接続するカプラーをタンデムシート下の小物入れの中に出るようにカウルの中を通してきました。

これで今後はタンデムシートをパカッと開けるだけで充電器と接続できるようになりました。

さっそく充電器と接続し、コンセントに挿してみると、

『12V』と書かれたLEDが点灯

『バッテリーマーク』のLEDが点滅しています。

説明書によるとこの表示の時は回復充電中という事で、サルフェーションの除去をしているとのことです。

ぶっちゃけサルフェーションとか言われてもよく分かっていないのですが、

メーカーの商品ページに記載の説明によると、電解液の硫黄成分が固まって、バッテリーが劣化する現象の事をいうらしく、バッテリーにとっては良くない状態らしいです。

これを改善してくれるとの事なので、仕組みなどはさっぱり分かりませんが期待して待ってみます。

ちなみにこの工程が必要かどうかは自動で判断してくれるようで、作業自体はただコンセントに繋ぐだけです。

ネコにエサをあげたり、洗車したりして4時間ほどたってから見てみると、

『12V』と書かれたLEDが点灯。『バッテリーマーク』のLEDも点灯。という状態に変わっていました。

説明書によると回復充電の工程は終わって、通常充電中という段階に移行しているようです。

つまりまだ充電中で完了したわけではないようですが、作業時間の関係でこの段階で一旦充電器を取り外し、エンジンがかかるか試してみます。

 

その前に電圧を測定してみると、13.2Vに上がっています。

充電前は11.5Vでしたのでちゃんと充電されて電圧が上がっていることが確認できます。

12Vのバッテリーといっても正常値の下限が12Vほどという事らしく、13~14Vほどの電圧が健康なバッテリーの電圧らしいです。

無事に電圧が上がっていることが確認できましたので、実際にエンジンをかけてみようとキーを捻り、スタートスイッチを押すと・・

 

ウンともスンともいいません!

よく見るとメーター周りのランプすら点いていません。

 

電圧は上がっていたのに何故!!と一瞬焦ったのですが、バッテリーを確認してみると車両のプラスの配線がバッテリーに接続されていませんでした。

充電器を接続する時に、充電用の端子だけを繋いで、バイクの配線を外したままにしてしまっていました。

もう十数年、車やバイクばかり弄ってきて未だにこんなミスをするなんて・・

プラスの配線を繋ぎ直して、スイッチを押したところ、キュルキュルキュルと元気よくセルモーターが回り、無事にエンジン始動できました。

 

というわけで3,980円のお値打ち充電器は非常に使い勝手の良い商品でした。

たくさんの種類を使用した事があるわけではないので相対的な評価はできませんが、実際に簡単に充電できましたので、体験における実績ありという事でおススメです。

 

接続ケーブルはつないだままになっていますので今後はカプラーを接続するだけで簡単に充電できますし、数か月単位で接続したままでも問題ないという事ですので、バッテリーのコンディションを維持するためにも、バイクに乗らない期間はこまめに充電して、弱らせないように管理していきたいと思います。

 

 

ちなみに今回の作業の様子も動画にしましたので、ぜひご覧いただけますと嬉しいです。


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マキタのインパクトドライバーTD-131Dを分解整備して激安塗装した話

またしてもマキタのインパクトドライバーネタです。

前回の記事でも紹介しましたが、先日同じマキタのインパクトドライバーTD-131Dを上手に(?)オーバーホールできたことに味をしめて、ヤフオク!でまたしてもジャンク品を購入しました。

 

出品者の記載した情報によると『モーターが焼き付いている様です。』とのことで、正真正銘ジャンク品の様でした。

『モーターが焼き付く』というのはよく聞く話ですが、焼き付いたモーターというのを実際に自分の目で見たことはありません。

送料込みでも2000円もしないし、後学の為にも焼き付いたモーターというのを実際に見てみよう!ということで、修理できなくてもいいやというダメ元精神で購入しました。

 

届いた商品はジャンク品という表現にふさわしく、綺麗とは言い難いずいぶんとくたびれた見た目をしています。

 

商品は本体だけでしたので、もともと持っている互換品の14.4Vのバッテリーを装着して動作確認してみます。

モーターが焼き付いているということですので、焦げ臭いニオイがしたり、火花が飛んだり、もしかしたら火が出たりするかもなどとワクワクしながらスイッチを押すと・・・

 

ギュイーーーーン

 

・・・どう見ても正常に動作しています。ハァ?

逆回転にしてみても問題なく動作。

少し長めに回してみても特に臭いも煙もなく、普通に回っています。

 

結果的にジャンク品というのは出品にあたって後から文句を言われないための予防線だったのか、他の物と勘違いだったのか、症状を誤認した物なのか、詳細は不明ですが壊れていませんでした。

ジャンク詐欺です!

 

インパクトドライバーが欲しかったのであればラッキーな話ですが、直前に同じ機種を治したばかりで使えるものが手元にありますし、焼き付いたモーターを見るのが目的でしたので残念な気持ちです。

 

ただ、少し動かしただけでは分からないモノなのかもしれませんし、部品をよく観察すれば異常が見つかるかもしれませんので、メンテナンスを兼ねて予定通り分解してみることにします。

 

まずは2本のボルトを抜いて背面のカバーを外し、

側面のボルトをすべて外してハウジングを分割します。

 

背面のカバーを外すとモーターのカーボンブラシを確認することができますので、取り外してチェックします。

ブラシは新品に近いぐらいの残量で交換の必要はなさそうです。

 

側面のボルトを外してから気付いたのですが、バンパーとハンマーカバーを外し忘れていました。前回はもともと付いていなかったので意識していませんでしたが、先にこれらを外しておくのが順序です。

 

ハウジングは爪などは無いので、ボルトを外せばそのままパカッと開きます。

 

ハウジングを分割してしまえば内部の部品はただ嵌っているだけなのでそのまま引き出せば外せます。

 

取り外したモーターをしつこく観察してみますがやはり異常はなさそうです。錆は出ていますが機能に影響を与えるほどではないですし、焼き付いたということであれば焦げたり溶けたりしていそうなものですがそんな様子もありません。

ハンマーも分解して確認しましたが、欠けやクラックもなく、なんならグリスも残っていて良好な様子。洗浄してグリスを詰め直して組み直しておきます。

※ハンマーケースのふたは逆ネジです。←ここ重要。

 

ハウジングや背面カバーなど、水にぬれても大丈夫な部品は水洗いします。

使い古しの歯ブラシを使って中性洗剤で洗浄します。

重曹や洗剤を使って漬け置き洗いするなど、更にきれいにする方法もあるそうですが、とりあえず今回は製品に思い入れがないので手抜きですが簡単な洗浄だけにします。

 

このまま組み立てて実働品の完成!作業終了!としても良いのですが、それだと前回と同じどころか前回よりも内容も薄く意味のない作業になってしまうので、今回は塗装にチャレンジしてみたいと思いつきました。

 

しかしサフ・上塗・クリアなどと通常の塗装の工程をすると、当たり前ですがそれぞれ塗料を用意する必要があります。

この商品自体、数百円もしなかったジャンク品

その製品に何千円もかけて塗料を買うのはちょっと抵抗があります。

それにスプレーで塗装するとなると場所の用意や塗り分けのマスキングなど手間がとってもかかります。

もっと安価に、そしてできれば部屋の中で完結するような手軽な方法はない物かと思案した結果、

100円ショップの塗料を筆で塗る!という方法を試してみることにしました。

近所の100円ショップでプラスチックに塗れそうな塗料を探して見つけたのがこの塗料。

プラスチックを含め色々な素材に塗れると記載があり頼もしいです。

色はこれしか売っていなかったので選択肢はなくブリックレッドに決定。

ついでに筆とパレット代わりに透明の飲み物用のコップも購入して、合計330円の装備で塗装に挑みます。

 

※作業をする前からとても満足のいく仕上がりになるとは微塵も思っていません。でももしこれでそれなりの塗装ができたら、今後の作業の中でそれなりの仕上がりの塗装をしたいときの選択肢になりますし、ダメならダメで知見を得ることができますので、考えようによっては今回のような「失敗しても別に良い」という状況は貴重な機会ととらえる事も出来るなーと思ったのです。

 

コップに出してみると、結構粘度の高いドロッとした液体です。

一応水で薄めることもできるとの説明も記載がありましたが今回はそのまま使います。

粘度が高いだけに筆の跡がかなり残ると予想されますが、「筆の跡が良い味を出してる」という奇跡が起きることに期待して、何も考えずにとりあえず塗ってみます。

 

一応先ほど中性洗剤で洗浄していますので良いとは思ったものの、念のためメラミンスポンジに無水エタノールを染み込ませたもので全体を脱脂します。メラミンスポンジなので多少の足付け効果も期待していますがあんまり意味はないでしょう。

 

筆に塗料をたっぷりつけてそれを伸ばすように塗っていきます。

意外に伸びが良くどんどん塗れます。

やっぱり筆の跡は残るもののそんなに不恰好には見えません。

筆で色を塗るなんて学生時代に絵を描かされた時以来じゃないかと思いますが、意外に楽しいです。

黒いゴム部分は色を塗らずにそのままにするつもりですが、自分の器用さを信じて製品ラベル以外はマスキングをしていません。が、自分でも信じられないぐらい手が震えて本当にはみ出さずに塗るつもりなのかが疑わしいほどはみ出します。

でもなかなかいい感じに塗れました。

makitaのロゴ部分は艶消しのタッチペンでチョンチョンと黒に塗装。

浮き出しているロゴはすでに削れてしまっていて、境目がはっきりせず非常に塗りにくいですが、それが逆に手書きっぽい感じで良いフォントになったと言い聞かせます。

それとあまりにもはみ出した部分は上から黒く塗ってごまかしました。

 

塗装が完了しましたので組み立てます。

せっかくの塗装がキズついてしまわないようにタオルをひいてその上で作業します。

 

組み立ては以前のブログに詳細に(?)書いてありますのでそちらを参考にしていただくとして。

 

www.ahiruyan.work

 

基本的に差し込んでいくだけなのでそんなに難易度が高くはないと思うのですが、組立時に注意することは

①LEDとその配線は最初に。

②モーターのマグネットは向きがあり切り欠きをハウジングの突起と合わせること。

ぐらいでしょうか。

 

組み立て時に念のためスイッチの動作確認として電圧の測定をしてみましたが正常でした

バッテリーを直接測定した電圧が約16V。

(14.4Vのバッテリーですが満充電だとこれぐらいの電圧が正常らしいです。)

それをブラシホルダーに接続してブラシの入る部分に検電テスターを当てて測定します。

スイッチを一番握った状態で16V。

スイッチの握り具合に応じて電圧が変化する様子も確認できました。

特に異常も見当たらず、一見ほこりにまみれたスイッチもちゃんと作動していることが分かります。

モーターが焼き付いているとは本当に何だったのか・・

 

部品をはめ込んだらふたをして、ハンマーケースとバンパーを取り付けたら完成。

 

純正でもこんなような色があったような気がしますが、何とも言えない微妙な雰囲気を醸し出す、味わい深いオリジナルカラーインパクトドライバーが完成しました。

実際には手で持つ部分も含まれますし、床に置いたりすることも考えると、塗装はすぐに傷ついて剥がれてきてしまうでしょうから、リペアとしての理想は染色するのが望ましいと思うのですが、染色は煮たりするのが大変そうですし、今回の塗装にかかったコストは330円ということを考えれば充分楽しめました。

 

今回の作業で筆で色を塗るのは楽しいという気付きを得ましたので今後も塗料や筆の選定、マスキング箇所などの作業工程を見直して、コスト・手間・仕上がりのバランスを考えて、筆塗り塗装の可能性を追求していくのも悪くないなと思いました。

 

この作業の様子も動画にしまして、youtubeにアップしておりますので是非ご覧いただけますと嬉しいです。


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マキタのインパクトドライバーをブラシ交換してオーバーホールした話 TD131D

ヤフオクでジャンク品のインパクトドライバーを購入して修理しまして。

 

今まであまり充電式の電動工具を使う機会は無かったのですが、最近になってちょっと興味が湧いてきました。

そもそも充電式の工具を敬遠していた理由は、性格的にマメじゃないので、うっかり充電を忘れていて肝心な時に充電が無くて使えない!という事になりそうだと思っていたからです。

特に出先で作業をするようなことも無いですし、それならばコード式の電動工具やエア工具でいいじゃんと。

その考え方は今も変わっていないのですが、ちゃんとバッテリーの管理さえできればそりゃコードやホースが無い方が取り回しも楽ですし、何より充電式の電動工具って見た目がカッコいいんですよね。

そんなわけで、新品を何万円も出して購入するのは抵抗があるけれど、充電式の充電工具を試してみたい。という事でもしジャンク品を安く買って自分で修理することができれば、構造の勉強にもなるし工具も手に入って一石二鳥と考えて今回の作業になりました。

 

それで今回購入したのがマキタのインパクトドライバTD131Dです。

ちょっと調べてみると、もう十数年前のモデルのようです。

ですがバッテリーはイマドキのモデルと互換性が無いことも無いようですし、基本的な構造や使い方を学ぶには十分だと考えました。それに直せるかも分からないものを購入する訳ですので決め手はやっぱり安価なこと。充電器やバッテリーも付いて3,000円くらいでした。(結果的に充電器は使用できましたがこのバッテリーは死んでました。)

 

肝心の故障内容は、商品紹介の説明によると『スイッチを押しても動かない。指で回転を介助してやると回り出す。』という物でした。そのままでは動かないけど手助けしてやれば回り出すという事ですね。

実際に届いた商品にバッテリーを付けて試してみると、確かに説明の通り、スイッチを入れてもLEDが光るだけで回りません。

ただ、スイッチを押した状態で反対の手でゴンゴンと叩いて衝撃を与えてやると回り出します。

つまり接触不良っぽい。

ブラシ付きの直流モーターで接触不良の可能性が一番高い所と言えば、まずはモーターのカーボンブラシだと思いますが、どうでしょう・・という事でさっそく分解していきます。

 

まずは腰ベルトにひっかける金具が邪魔のでそれをサクッと外し、

ボルト2本で留まっている背面のカバーを外します。

ボルトを抜いたらあとは嵌っているだけなのでパカッと外す事ができます。

めちゃくちゃホコリだらけですごく汚いです。

この段階でブラシの確認、交換ができるのですが今回はせっかくなので全バラして全体的にオーバーホールしてみたいと思います。

 

側面に見えるボルトを全て外します。

側面は8本のボルトで留まっていますが背面カバーのボルトも含めて10本全て同じ長さのボルトでした。

こういう時、場所によって長さや太さの違うボルトが使われていると、どこがどのボルトだったか記録しないといけないのでめんどくさいのですが、同じだと混ざっても問題ないので嬉しいです。

 

ケースを開けたところ↓

画像でいうと右側から、

・バッテリーとの接続部分

・スイッチ部分

・左下のモーター部分

・左上のハンマー部分

という感じで役割別に大きく4つの構成のようです。

 

中身をケースから取り出し、カーボンブラシを取り出してみます。

ブラシから生えている配線が爪でホルダーにパチッとハマっていますので、まずはそれを取り外し。

そしたらバネで押さえつけられているブラシを下からグイっと押し出して取り外します。

 

外してビックリ。想像以上の摩耗具合です。

というかほとんど残っていません。

説明するまでも無いですが、両サイドの2つが新品で、真ん中の2つが今回取り外したものです。

そりゃ接触不良にもなるわと納得の短さです。

今回の不具合の原因はブラシであることはもう決定的ですが、引き続きオーバーホールを続けます。

 

↓今回購入した新品のカーボンブラシ

 

こちらはモーター部分です。

スプラインに欠けなども見当たりませんし、汚れてはいますが正常な様子。

削れたブラシのカスだと思いますが、磁石の部分に鉄粉のようなものが大量に引き寄せられていますのでこれは洗浄します。

 

次は先端のビットを差し込むスリーブ部分を分解します。

ココにはスプリングが入っていて、それをワッシャで押さえて、その上からCリングで留めてある形です。

なので先のとがった棒でCリングをグイっと開いて外します。

外した瞬間にスプリングに押し出されてCリングとワッシャーが飛んでいかないように注意が必要です。

もちろん私は飛んでいきました。

幸い部屋の中での作業でしたので普通に回収できました。

あと小さいボールも2個側面に入っていますので、それも無くならないように注意が必要です。

 

先端を分解出来たら、反対側のフタを開けてハンマー部分の中身をチェックします。

フタはネジになっていますのでモンキーで緩めるのですが、結構固く締まっていて、私の赤ちゃん並みの握力では素手で持って緩めるのはムリでしたので、万力で挟んで緩めました。

ここで大事なポイントがありまして、それは逆ネジという事です。

通常のネジとは違って、時計回りに回すと緩むので注意が必要です。

幸い私は予習していましたので大丈夫でしたが、これは事前に知らないとかなり沼っていた可能性があります。

こういった事をブログやYouTube情報提供してくれる諸先輩方に感謝します。

 

無事にフタが開いたら中身を取り出します。

中には歯車の部品が入っていますが、グリスも切れていないようですし、欠け・割れ・ひび等も見当たりません。

摩耗している様子も無いですしハンマー部分は良好な状態のようです。

(写真が暗くてすいません。)

ハンマーにはスプリングが付いていますが、このスプリングがうまい事作用することで連続したインパクトができるような仕組みになっているようです。

 

とりあえずここまででほぼすべての部品が外せたので、水洗いできる部品は洗剤で洗浄を。スイッチやモーターのブラシホルダーなどの電気関係の部品はホコリを払ってエアを吹いてキレイにします。

 

本当はスイッチも分解して接点をキレイにしたり構造を確認してみたりしたかったのですが、どうやら接着してあるような感じで、開けるのも戻すのも大変そうでしたし、最悪壊すことになりそうでしたので、今回はムリせずそのままホコリを飛ばす程度にしました。

またいつかスイッチの故障が疑われる症状が出たときに、玉砕覚悟で挑戦してみたいと思います。

 

グリスをたっぷり塗布しながら分解したときと逆の手順で組み立てて行きます。

外した通り組み立てて行くだけなので、そんなに難しいことは無いのですが、手間取ったポイントが2か所だけ。

 

一つはモーターのマグネットの部品なのですが、4つの角のうち1箇所だけ凹んでいる切り欠きがあります。この切り欠きがピッタリ合うようにケース側には突起があります。

これが合うような向きで取り付けないとしっかり納まりません。

特に向きを意識せずに取り付けようとしていて、なんか収まりが悪いなぁと思ったらちゃんと合わせるべきところがありました。

 

もう一つは前面のLEDに繋がる配線の通り道です。

これも適当に押し込んでケースを締めようとしたらどこかに挟まって、しっかりケースが閉じませんでした。

よく見るとケース側にちゃんとこの配線を通すための溝があって、そこにしっかり通したら問題なく収まりました。

 

あとは背面カバーを付けるだけ。というところまで戻ってきたら、新品のブラシを取り付けます。

ブラシを押さえつけるためのバネを一旦持ち上げておいて、ブラシを差し込みます。

ブラシは一応向きがありますが、ブラシから生えている配線が通る向きでしか入りませんので、実物を見れば迷うことは無いと思います。

ブラシを差し込んで、バネできちんと押さえつけられている状態を確認したら配線の爪を指で押してパチッとはめればOKです。

もちろん2個ありますので、2個とも新品に交換します。

交換前はブラシが短すぎてモーターに届くか届かないかギリギリだったんだと思います。そこに手で叩いた衝撃で振動することで接触して回り出す。という状態だったのだと思われます。

新品のブラシはしっかりと接触していますので、もう大丈夫なはず。

 

今回奮発して購入した新品の背面カバー759円とハンマーケースカバー220円・前面のバンパー(シリコンのクッションみたいな部分)220円を取り付けたら完成です。

別にインパクトドライバとしての機能的にはカバー類を新品にする必要はなかったのですが、それぞれそんなに高価なものではないですし、目立つ部分で面積の大きい部分が新品になることで、全体的な印象もかなりキレイに見えますので、おススメです。

 

作業後、バッテリーを取付てスイッチを押して動作確認してみると、押した瞬間にギュンギュン回ってバッチリ動作しました。

無事に修理完了です。

修理と言っても結果的にはカーボンブラシを交換しただけなので、消耗品の交換をしただけと言えばそれだけなのですが、初めて触るものですし、全体的に分解して洗浄やグリスアップもすることが出来ましたので、それなりに達成感はあります。

 

お値打ちな互換品ですがマキタ用の14.4Vのバッテリーも購入した事ですし、今後はインパクトドライバ以外の充電式の電動工具も機会があれば入手してみたいと思います。

 

そして、計画的に作業前に充電して活用していく運用ができるのか、自分で試してみたいと思います。

 

ちなみにこの作業の様子を動画にもしましたので、もしよろしければご覧いただけますと嬉しいです。


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追記

後日、別個体ですが同じ機種の塗装にも挑戦しましたのでそちらもぜひご覧ください。

 

www.ahiruyan.work

 

CBR250RR MC22 バイクのオイル交換をした話

以前レストア記事を書いたCBR250RRですが、この度オイル交換をいたしましたのでその作業の様子をご紹介したいと思います。

 

※レストアの様子も途中まで調子よく書けていたのですが、なんとなく中途半端になってしまいました。なかなか継続できない性格を反省しつつ、自分に甘くストレスにならない範囲でゆるーくブログしていきたいと思います。

 

ちなみにこの作業の様子も動画にまとめてみましたので、時間が余ってヒマでヒマで仕方がない方は是非ご覧くださいませ。

 


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それでは作業開始です。

まずは以前購入した安物のバイクスタンドをリアにかけてバイクを立てます。

別に立てなくても作業は可能だと思うのですが、なんとなく水平にしたいのと車体の下側をのぞき込んで作業することになるので少しでも高さを上げたいのでスタンドを立てます。

(せっかく購入したスタンドを積極的に使いたいというのもあります。)

CBR250はZと違って車体が軽いので、一人でも簡単にスタンドを立てられます。

 

次は車体左側のカウルを外します。

オイル交換の時は左側だけ外せば十分です。

MC22は単純に外から見えるボルトで留まっているだけなので簡単に外せます。

(というか私のオンボロCBRは一部タイラップで留めてありますのでさらに簡単に外せます。)

最近のフルカウルのバイクはなんだか複雑に爪とかで固定されていて外すのがめんどくさいのもありますよね。

 

カウルが外せたらエンジンを下から覗くとドレンボルトオイルフィルターのカバーが見えます。

真下に付いていますので狭くもないし、他の部品にオイルがかかるのを気を付けないといけないようなこともない位置で作業性は良好です。

 

廃オイルはモノタロウで購入したオイル処理ボックスに直接受けます。

廃油受けに一旦入れて鉄粉や異物が無いかをチェックしたり、オイルの色をチェックしたりしてみても良いのですが、どうせ見てもあんまり分からないですし、鉄粉が出てきたからと言ってオーバーホールできるわけでも無いので、効率重視で直接ボックス行きです。

 

17mmのスパナを使ってドレンボルトを緩めて抜き取ると、結構な勢いでオイルが排出されます。

前回交換してからそんなに距離を走っていない(というか全然走っていない)事もあってか、見た感じはキレイなオイルが出てきました。

サービスマニュアルによると6,000km毎に交換せよとの事ですが、たとえ距離がまだでも交換してから何ヵ月もたつとオイルは劣化していくらしいので距離を走っていなくても定期的に交換した方が良いらしいです。

 

オイルが抜けたら次はオイルフィルターを外します。

フィルターのカバーのボルトは12mmのスパナで緩めて、カバーをグルグル回すとボコッと外れます。

フィルター交換はこのバイクが我が家に来てから初めてなのですが、もっとヘドロのような状態かと思いきや意外にもキレイでした。

前オーナーの手によってちゃんとこまめにオイル管理されていたのでしょうか。

ちなみにフィルターはサービスマニュアルには12,000km毎に交換せよと記載がありますので、オイル交換2回に1回の割合で交換すると良いという事ですね。

 

外したドレンボルトとフィルターのカバーはパーツクリーナーで洗浄しておきます。

↓洗浄後

 

交換用に購入したフィルターです。

 

KITACOの商品でOリングも一緒になっている親切な商品です。

サイズさえ合っていれば性能はそんなに気にするほどの差は無いと思いますので、純正にはこだわらず手に入れやすい商品を買いました。

 

色んな車種に合うようにパッケージになっているようで、余分なOリングも入っています。

四角いやつはMC22には使いません。

いつか何かに使うかもしれないので一応しまっておきます

こうやってゴミが溜まっていくんですね。

 

古いOリングと入れ替えるだけなのですが、少し不思議なことがありました。

外したカバーになぜかOリングが2個入っていました。

なんででしょうね?

いくらなんでも間違えて2つ入れちゃったのならドジっ子が過ぎると思いますし、何か理由があって2つ入れたのでしょうけど、2つ入れる理由があるとすればオイル漏れをムリヤリ止める為しか考えられません。

(むかしマフラーの排気漏れを止める為にガスケット3枚ぐらい入れてムリヤリ締めたりした事を思い出しました。)

 

かと言ってカバー側とエンジン側のそれぞれの合わせ面を見てみても別に異常があるようには見受けられませんので、謎は謎のまま、今回は普通に1個だけ入れて戻します。

 

あと今回サービスマニュアルを見ていて私的に意外だったのが、

ドレンボルトの所のこの↓ワッシャ

どうやら『再利用禁止部品』では無いっぽいという事です。

ドレンボルトの所のワッシャって漏れを予防するためにペチャっと潰れて密着するタイプのワッシャを使っている車種が多いと思うのですが、このワッシャはそんな形状でもなく、マニュアルにも『損傷している場合は交換する』と記載がありました。

つまり損傷していなければ交換しなくて良いという事ですよね?

というかこのワッシャが損傷する事なんてあるのでしょうか?

いずれにせよ作業し始めてからワッシャの事を思い出し、事前に用意もしていなかったのでそもそも再利用する気まんまんだった訳ですが、なんとなくお墨付きをもらえた気分で堂々と再利用します。

 

今回入れるオイルです。

オイルフィルターを交換した場合は2.4リットルのオイルを使用しますので

10W40のHONDA純正G2を2リットルと10W30のG3を0.4リットル入れることにします。

別にこだわりのブレンドとかそんなのではなくて、ただ単に手持ちにG3が1本だけあったので、順番に使っていかないともったいないのでG2を2本しか買わなかっただけです。

 

サーキットを走るわけでも、峠を攻めるわけでもなく、近所をウロウロするだけの使用なので、低価格なオイルで問題ないと思っています。

むしろ高級なオイルをたまにしか交換しないぐらいなら、低価格オイルを頻繁に交換した方が良いという話も聞きますので、オイルのグレードには普段からそんなにこだわっていません。

とはいえ最低限の品質は必要だとは思いますので、ひとまず間違いはないであろう純正オイルを好んで使っています。

 

新しいエレメントとドレンボルトを車体に取り付け。

ちなみに、

フィルターの方のボルトは締め付けトルクが1.5~2.5kg-m

ドレンボルトの締め付けトルクは3.5~4.0kg-m

だそうです。

私はもちろん普通のレンチでなんとなく締めました

 

しっかり下周りを閉めたことを確認して、車体右側の注入口からオイルを入れます。

オイルを缶からオイルジョッキに移し替えて入れています。

缶から直で入れるとこぼすのでオイルジョッキでちょっとずつ入れています。

 

2.4リットルのオイルを入れたらエンジンを始動して循環させます。

マニュアルによると2・3分アイドリングして、エンジンを停止させて、さらに2・3分後にオイル量のチェックをしろ。となっています。

 

アイドリング中に下回りをチェックしましたが、今のところオイル漏れは無さそうでした。(2重のOリングは何だったんでしょう?)

エンジンを切って3分後にオイル量のチェックをして問題なし。

(ピンぼけですが適正な量でした。)

あとはカウルを元に戻してスタンドから降ろしたら作業完了です。

 

お店でオイル交換してもらうのも良いのですが、慣れてくるとお店まで行くのがめんどくさく感じるのでバイクのオイル交換はほとんど自宅でやっています。

 

やっぱりできることは自分でやった方が愛着も沸くってものですし、ぜひチャレンジを~!

 

ボロボロのKTCの両開き工具箱をレストアした話

錆びてボロボロの工具箱を入手しましたので、それをキレイに補修しまして。

 

今回の作業も動画にしてみましたので、よろしければ見てやってください。


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入手したのはKTCの両開きの工具箱です。

詳しい年式は分かりませんが、現行のモデルではない、少し前のモデルだと思います。

現行の両開きの工具箱はもっとカッコいいので、本当は新品でそちらを購入しようと思っていたのですが、『中古品を買って自分で直したりするのも面白そう!』という思い付きで、しなくても良い苦労をすることになりました。

あちこち塗装が剥がれて錆が多くあります。

穴が開いているほど酷い事は無いので、そのままでも工具箱としては使えるのは使えそうですが、この工具箱は家の中で使用したいと考えていますので、部屋の中での使用に足る状態になるよう、塗装しなおしてキレイにしてみたいと思います。

 

↓内部も錆びています。

 

そのままでは塗装ができませんので、可能な限り分解してみます。

 

この工具箱の各部品は全てリベットで留めてあります。

分解する時にはボルトナットで固定してある方が助かるのですが、そもそも工具箱を分解する事なんて普通は無いので、出っ張りが小さくなるリベットの方が良いのでしょう。

 

ドリルでリベットの皿部分を削って飛ばします。

 

皿部分が外れれば、裏からペンチでつまんで引っこ抜くことができます。↓

同じ要領で箱に付いているリベットを全て外します。

↑フタと内部の稼働部分の連結部分は裏側からドリルで削りました。

 

底箱とフタのヒンジの部分は長い棒が通してありますので、まずちょうどいい太さの棒を使ってコンコンと少し押し出します。(手元にちょうどいい太さのピンポンチが無かったので古くなったドリルの刃をポンチ代わりにしてハンマーで叩きました。)

うまく中の棒を押し出すと反対側に飛び出てきますので、それをプライヤーでつまんで引っ張り出します。

もっとなかなか抜けなくて苦労するかと思ったのですが、意外にもスムーズに引き出すことができました。

 

箱に付いているリベットを全て外して部品ごとに並べてみました。

中身の黒い可動する部分は普段から内側にあるだけあって、小傷はあれどサビはほとんど無いのと、これ以上分解すると元に戻すのが大変そうなので、洗浄するだけにしておきます。

上段のトレイは1つが紛失してしまったのか、購入時から1つしかありませんでしたので、部品単体で購入できないかといろいろ検索してみたのですが見当たりませんでした。代わりとなるようなちょうどいいサイズの物を探してみたり、FRPなどで作成してみたりしようかとも思いましたが、それは後からでも可能なので、とりあえず一旦保留にします。

 

まずはホコリや汚れを洗浄します。

使ったのは食器洗い用の中性洗剤です。

しっかり水洗いしたら乾燥させて、いよいよ塗装を剥離していきます。

ホルツの塗装はがし液を使います。

皮膚や粘膜に触れるとかなりマズいようなので、厚手のゴム手袋とメガネは必須です。

特にメガネは絶対した方が良いです。どんなに気を付けていてもピッと飛んだりすることがありますから。

塗装はがし液をカップに少量とって、それを刷毛で塗ります。

刷毛は使い捨てのつもりで100円しないお値打ち品です。

塗装の上にはがし液を塗るとみるみるうちに塗装が浮いてきます。

数秒~数十秒で浮いてきます。

もっと時間がかかるのかと思っていましたので驚きました。

気持ち良いというか、気持ち悪いというか、何とも複雑な気持ちになります。

塗装が浮いたらそれをスクレーパーやブラシでこすって除去します。

塗装が浮くとはいっても細かい部分が残ったり、なかなか剥離できない部分があったりで、少し塗っては剥がし、少し塗っては剥がしの繰り返しで結構大変でした。

↑あらかた剥離することができました。

ヒンジ部の細かい隙間部分の塗料がなかなか取り除けなかったりして、かなり時間がかかりました。気持ち良いのは最初だけで、かなり根気が必要な作業という事が分かりました。

 

古い塗装を剥離することができましたので、サンドペーパーで足付けをして、塗装していきます。

底部は少し歪みがあったので、整えられないかなと思い、木材などを当てがって少し叩いてみたのですが、あまりうまくいきそうになかったので気にしないことにしました。

途中で色んなことを気にし始めると嫌になってくるので、細かいことは気にせず勢いでどんどん進めていきます。

 

↓まずはサフェーサーを吹きます。

この時点でもう『かなりキレイになったなぁ感』があります。

 

でもまだ全体の半分です。まだ更に表面積の大きい『フタ』があります。

すでに『あまり好きじゃない作業』にランクインしつつある塗装の剥離を継続します。

「Fit」と書いたステッカー(謎)カロッツェリアのロゴも塗装と一緒に剥がしながら、サフェーサーを吹くところまで、同じ手順で作業します。

 

↓塗れました。

実はフタの裏側は塗装は剥離せず、もともとの塗装の上からサフェーサーを塗りました。(最低限サンドペーパーをかけて足付けはしました。)

というのも、(剥離するのに疲れたので妥協・・)やはり内側だからなのか塗装の傷みも少なく錆びもありませんでしたので、上から塗っても大丈夫だろうと。

 

サフがしっかり乾燥したら、いよいよ色を塗ってきます。

今回はマツダの純正色【20PイノセントブルーMC】です。

紺と青の中間のような色で、暗めの青色です。

なぜこの色にしたのかというと、それは在庫があったから

以前マツダRX-7FD3S)に乗っていたころにバンパーを補修するためにたくさん購入し、余っていたので消費することにしました。

塗り終わったのがこちら↑

塗ってから気づいたのですが、この色、よくある工具箱の色にそっくりです。

ホームセンターとかで売っている金属製の筐体の工具箱。

塗る前はFDカラーだと思って意気揚々と塗ったのに、なんだかオリジナリティの欠ける雰囲気になってしまいました。

どうせなら黄色とかオレンジとかにすれば良かったと若干後悔。

でも塗装自体は上手に出来ましたので気を取り直してクリアも塗ります。

クリアは水性のシリコン塗料を使いました。

塗る量が足らなかったのか表面の仕上がりが少し柚子肌で不満が残りましたが、このころになると疲れてきていて早く作業を完了させたいという気持ちが優先してきていますので、これで良しとして次の工程に移ります。

 

次はメッキ部品たちの研磨です。

大好きなPIKALでせっせと磨きます。

エスピカールを付けて黙々と磨きました。

画像の手前がピカール後、奥がノーピカールです。

こういう作業は目に見えて違いが分かるので楽しいです。

ただ、こだわり出すと無限にやり続ける羽目になりますので、一定のところで妥協が必要です。(最近の私はすぐ妥協できるようになりました。笑)

 

工具箱内部の可動する黒い部分は、予定通り洗浄するだけにします。

前オーナーが取り付けた(?)プラ板&ガムテープの仕切り板もキレイに取り去ってやりました。

 

さて、いよいよ組み立てていきます。

まずは底部分。

この工具箱を入手した時から何も付いていなかったのですが、底の4か所に穴が開いています。

恐らく足が付いていたのだろうと思われる穴です。

そこにホームセンターで調達してきたゴム足を付けます。

ゴムにM4のボルトを通して内側からナットで固定します。

工具箱を開けたときに目に入る部分ですし、袋ナットにしました。

少しでも見た目を良くしたいのと、指が当たったりした時に角ばっていない方が良いだろうという配慮(?)です。↓

下から見るとこんな感じ↓ばっちりです。

あとは分解したときと逆の手順で組み立てていくだけです。

もともとリベットで組付けてあった部分は全てボルトナットに置き換えます。

M4のボルトで場所によってプラスだったり六角だったりと頭の形状を変えて、こだわっている感を出します。

底部分とフタのヒンジになる部分には、もともと刺さっていた棒を差し戻して接続します。

外した時と同様、もっと差し込むのに苦労するかと思ったら、意外にもスルッと入って感動しました。

フタを開いたときに可動する内部との接続部分は(説明難しい)しっかり締め付けて固定してしまうと動かなくなってしまいますので、ダブルナットで固定しました。

フタと金具はフリーの状態で、ナットとナットで固定されていて抜けない状態。(説明難しい)

最後に取っ手のカバーを取り付け

ここはボルトの長さが大事です。

あんまり長いと飛び出してしまい、反対側のフタと干渉してしまうので、ちょうどいい長さの物を用意するのがポイントです。

 

という事で完成しました。

ちゃんと機能的にも問題なし!

最初がコレ↓

作業前の状態と比べるととてもキレイになりました。

塗装のクオリティが素人+αですが、自宅で使用するだけですし大丈夫な品質でしょう。

強いて言えば、もっとオリジナリティと言いますか、せっかく塗ったのならあまり他にない色にすれば良かったかなぁと。

でも家の中に置く事を考えると落ち着いた色の方が散らかって見えないので、これはこれで良い!とします。

 

塗装剥離剤をちゃんと使用した事が今まであまり無かったので、すごく良い経験になりました。

やっぱりボロボロの物をキレイにするのは楽しいです。

しかし、KTCの新品の工具箱を購入するよりは安いですが、実際のところ作業には数時間を要していますし、中古の工具箱代・各種溶剤・塗料代などを考えると、金銭的にすごくお得というわけでもないです。

なので作業を楽しめる人にはおススメですが、純粋に工具箱が欲しい人は新品を買った方が良いと思います。

(だからこそ、もっと変わった色にして自分で塗らなければ手に入らない色の工具箱にすれば良かった。何回言うねん

 

ちなみに、この工具箱は奥さんの趣味のレザークラフト道具入れに就職しました。

長く使ってもらえると良いな~。

YAMAHA SR400 シフトチェンジができない状態の修理をした話

またしても自分のバイクではないのですが、頼まれてバイクの修理をする機会がありまして。

もちろんバイクの整備は本職では無いですし、何かあったりすると嫌なので他人のバイクを整備するのはあまり積極的にやりたくは無いのですが、「おもちゃにしても良い」と言って頂けましたので、自分の経験値にさせてもらおうと思って取り組んでみました。

 

ちなみに今回の作業はめずらしく動画にもしてみましたので、もしよければそちらもぜひご覧ください。


www.youtube.com

 

車両はYAMAHAのSR400です。

ほとんどノーマル(に見える)で、あまり積極的にメンテナンスされてなさそうな感じです。数年ぶりにエンジンをかけたと言っていたような・・。

とはいえエンジンはキック数発ですんなりかかったようで、ちょっと整備すれば普通に乗れそうなコンディションに見えます。

 

■故障内容■

症状としてはシフトチェンジができないというもので、シフトペダルが上にも下にも動きません。

ギヤは入っていない状態のようで、クラッチを繋いだ状態でもリアタイヤはクルクル回ります。ただ、その状態なのにニュートラルランプは点いていません。

 

エンジンをかけた状態で、シフトアップしようとしても全く微動だにせず。逆にシフトダウンしようとするとダダダダダと干渉するような異音がします。

 

しかも走行中にこうなった!という事で、シフトフォーク各ギヤが異常な感じが濃厚です。ミッション内部の確認をするという事はエンジンを降ろして腰下を分解することになるのかとこの時点では超憂鬱です。

 

なんにせよ外から眺めていても原因は分かりませんので、順番に分解していこうかと思います。

 

エンジンを開けますので、まずはエンジンオイルを抜きます。

SRはエンジン下部とフレームの2か所にドレンボルトがあるので順番に抜いていきます。

↓エンジン下部

↓フレーム前部

フレームからオイルを抜くときは画像のようにテープを貼ってから抜くと、フレームの下の方までつたっていってしまうのを防げます。(作業前に先人の知恵を拝見して勉強しました。)

 

オイルが抜けたらエンジン右側面にあるオイルフィルターカバーを取り外してフィルターも外します。

ボルト3本で留まっていますが、下のボルトを緩めるとオイルが流れてきますので注意です。

 

続いて右側面のエンジンカバーを外すのに邪魔なものを外します。

・キックペダル取り外し

ボルトを1本抜けば取れます。

 

・右ステップ取り外し

ナットを2個外せば取れます。ワッシャーあるので落とさないように注意。

 

・リアブレーキペダル取り外し

ボルトを1本抜けば取れます。

 

マフラーは付いたままでも問題なさそうでしたので、エンジンカバーのボルトを全て外してカバーを取り外します。

↑画像の赤い矢印で示した2か所は『位置決め用のカラー』が入っていてボルトの種類が違いますので注意です。(混ざってしまっても分かると思うので別に注意ってほどでもないかもです。)

 

全てのボルトを抜いたら、パカッと開ければ外れます。

※若干固着していたのでプラハンマーで少しコンコンと叩きました。

 

ここを開けると第一容疑者が見えますので、クラッチの左下あたりをのぞき込んでチェックします。

位置的には車体左側にあるシフトペダルのちょうど反対側。シフトペダルの動きをシフトドラムにつたえるギヤ的な部品です。(この部品なんて言うんですかね?)

↑この時点でもう何か変なのでですが、クラッチが邪魔でよく見えませんし、触れもしないので仕方ないのでクラッチも外します。

 

クラッチはスプリング+ボルト6本を外せば外れます。

ボルトを抜いたら押さえの部分とプッシュロッド(?)を抜きます。

この真ん中の穴のさらに奥に反対側に繋がるシャフトが入っていて、磁石などで誘引したり車体を傾けたりして抜くらしいのですが、今回の作業的に抜く必要もないですし、摩耗状況をチェックするつもりもないので入れっぱなしにします。

 

クラッチ板は嵌っているだけなのでそのまま抜きます。

本来なら、せっかく外したのでクラッチ板もスプリングも、厚さ・長さを計測して、摩耗状況やへたり具合を判断するところですが、今回はあくまで人のバイク!

故障診断を頼んだら

『〇万円の部品を交換した方が良いですよ!』ドヤッ

って言われても面倒だと思いますので、今回は知らぬが仏で計測すらしません。

 

次に真ん中のボルトを緩めてハウジングを取り外します。

このボルトはクルクル回るので、回り止めの工具を使用して緩める必要があります。が、横着してインパクトでブルンッと緩めました。

※でもインパクトがあれば良いというわけでもないです。なにせ、組み立てるときには締めないといけませんからね。さすがにインパクトで締めるわけにもいかないですし。

 

で、クラッチハウジングを外すとこうなりまして

やっとこさ問題の箇所がよく見えます。

↑画像の左側の部品がシフトペダルに繋がっていまして、ペダルを上下に動かすと連動して動いて画像右側の部品を動かします。右側の部品が動くと奥でつながっているひっかける爪のような形の部分が動いてシフトドラムを回す。という構造のようで特に破損している様子もないのですが、位置がおかしいです。

下がった状態で止まっています。

シフトダウンしてペダルを下に踏んだ状態の位置、と言いますか・・

 

ペダルを操作していない状態であれば正しい位置は↓ここのハズです。

 

ペダルを踏んだ状態で止まってしまっていますが、元の位置に戻すためのリターンスプリングは作用する位置にあるようですし、スプリングが機能していないだけなら上にも下にも動かない訳ないので、つまり踏み込んだ位置で何かがどこかで噛みこんでしまっている。しかもギヤが入っていないのでギヤ抜けの位置で。ということになります。

幻の0速みたいな?知らんけど。

 

このあたりで本格的に嫌な予感を感じつつ更に分解を進めます。

 

まず右側の部品(名前何って言うんでしょ?)は、クリップで留まっていますのでマイナスドライバーで外します。外れた瞬間飛んでいくので注意。隙間にでも入ったら超めんどくさいです。

 

左側の部品はシフトペダル側にクリップがありますので、まずはシフトペダルを外します。

シフトペダルもボルト1本外せば取り外せます。

はめるときに角度が分からなくなるので外す前にマジックなどで合いマークしておくと良いかもしれません。

ペダルを外して、ゴムのカバーみたいなのを抜くと、奥の方にクリップがあるのでマイナスドライバーを突っ込んでそれを外します。

クリップが外せたらもう抜けますので、また車体右側に戻り引き抜きます。

エンジンを降ろさずに触れるのはここまでなので、祈るような気持ちでシフトドラムを手で(木の棒で)回してみます。

すると、カチャン、カチャンと軽く回るではありませんか!

そりゃドッグの嚙み合いでギヤが入らない箇所もありますけど、それは正常な事!

カチャンカチャンと一番下まで下げてから、少しだけカチャリと上にあげて、キーを捻ると、

ニュートラルランプ点灯!歓喜

シフトチェンジできてる!

シフトドラム以降シフトフォークやミッションは正常(っぽい)!

エンジンを降ろさなくて済みそう!(大事)

 

しかしそうなると、先ほど外した部品にやはり異常があるという事なのかと思いよくチェックして見ても、特に破損していたり、著しく摩耗しているような様子はありません。

 

仕方が無いので、組み戻してみて動作を確認してみますと、

普通に動作するではありませんか!

シフトペダルを戻してガチャガチャガチャとシフトチェンジしても、どこも噛みこむ様子もなく普通に動きます。

 

これはこれで困りました。

原因はよくわからないけれど、分解して組み立てたら直りました。』のパターンです。

でも実際、この時点では正常に動作していますし、再現性が無いのでこれ以上検証しようがありません。

もしかすると左右の部品が噛み合っている部分の摩耗などで、強くペダルを操作すると行き過ぎてしまって噛みこんでしまったりするのかな~と思ったり、でもストッパーの部分は摩耗している様子もないし行き過ぎてしまうなんてことあるのかな~と思ったり。

これが自分のバイクで長く乗るつもりだったりするなら予防整備も兼ねて、新品に変えたりするのも選択肢ですが、今回は人のバイクですし、しかもそんなにモチベーションもなさそうなので(久しぶりにエンジンかけたって言ってたぐらいですし)、

ひとまず(少なくとも今の時点では)問題なく作動するようになりました。

という事で作業を完了したいと思います。

※しばらくは近場を走って様子を見てもらいます。

 

と、いう事で組み立てます。

組み立ては基本的に逆の手順でOKですが、

クラッチハウジングのナットを締めるときは回り止めの工具が必要になります。

画像に写っているのはDAYTONAのプーリーホルダーHONDA用(HONDA用!!)という商品で4千円弱ぐらいの物です。(こういう普段あまり出番のない工具が活躍すると嬉しい!)

 

 

 

あとクラッチを締め付けるときはトルクレンチが必須です。

規定トルクで締めることはもちろん、6本とも同じ力で締めることが重要だと思います。

あとカバー側もエンジン側も合わせ面は、古いガスケットをスクレーパーでキレイに剥がして、オイルストーンで磨きました。

エンジンオイルが漏れたり、滲んだりすると困りますのでしっかり念入りにキレイにします。

 

もちろんガスケットも新品です。

オイルフィルターとそのカバーのOリングも、あとフィルター下部の小さいOリングも新品にします。

外したものを全て付け戻したら最後にエンジンオイルを入れて作業完了です。

SRってフレームにオイル入れるんですよね。

何かでフィルター変えたら2.1リットルと見た気がするのですが、2リットル入れたらアッパーとロアの間ぐらいになったので、そこでやめておきました。

フィルターまで変えましたので、エンジン始動前に何回かキーがOFFのまま空キックしてオイルポンプを回してオイルを循環させてから(気休め?)エンジン始動。

 

試しに少し走らせてみましたが、問題なくシフトチェンジできました。

 

ということで、一応走れるようにはなったけど、スッキリはしないという結果に。

なんとなくシフトチェンジも抵抗を感じるような気もするようなしないような。シフトフォークなんかも摩耗しているのはしていると思いますし、今回の箇所以外にもメンテが必要と思われる部分が結構あるバイクでしたので、もし継続的に乗っていくなら順次メンテをしていくと良いんじゃないかなぁと心の中だけでつぶやいて、持ち主のもとへお返ししました。

 

私としても、あまり普段触れることのない車種でしたので、経験値が積みあがったような気がして有意義な作業でした。

 

また再発するようなら改めて検証して、この場でも報告したいと思います。